ワンマン新幹線

東北・北海道新幹線は仙台と盛岡で輸送段差がある。
とくに盛岡以北をみると、いわて沼宮内の83人(2018年度)など
乗車人員が100人以下の駅が点在し、それらの駅は停車本数も少ない。
利用客が少ないから本数が少ない、本数が少ないから利用客も少ない。
悪循環を断ち切るためにも、ミニマムアクセスとして最低毎時1本は必要だと思う。

一方で、札幌延伸開業時は航空機との競争になるから、
停車駅の少ない速達タイプも高頻度で運転する必要がある。
運行本数を増やしつつ、運行コストは最小限に抑えなければならない。

一般的に人員の合理化というと、無人駅化やワンマン運転だが
東北・北海道新幹線の場合、青函トンネルをはじめとした長大トンネルがあり、
緊急時の避難誘導を考えると無人駅化は困難。最低でも警備員の常駐が必要。

では、ワンマン運転はどうか。
JR東日本では自動運転に向けた研究が進められているが、
いくら前方注視義務がない新幹線とはいえ、不測の事態に備えて運転士資格を持つ乗務員は必要だろう。
車掌業務のうち、ドアの開閉は副都心線などのように設備を整えれば運転士が行うことは可能。
車内放送もワンマン運転の地下鉄と同様、自動放送を基本として、運転士が補助的に行えば良い。

問題は、検札業務だ。
ATO運転だとしても、運転士が乗務員室を離れて車内を巡回するのは安全上の懸念がある。
ならば、検札しなければ良い。車内検札が必要なのは指定席があるからであって、全席自由席なら駅の新幹線改札だけで良く、車内検札は不要。
盛岡〜札幌間にワンマン運転区間列車を運行することは理論上可能だと考える。
つまり、東京〜札幌間を運行する新幹線は停車駅を絞った速達タイプ(ツーマン運転)として、
それ以外に盛岡〜札幌間に各停タイプのワンマン新幹線を毎時1本運行するのである。

ワンマン新幹線は6両編成、通路を挟んで2列+3列のモノクラス。
駅では通勤電車に乗るのと同じ要領で、改札機にSuicaをタッチするか、
券売機で新幹線降車駅までの切符を買うだけ。

近年は券売機の多機能化で操作が煩雑になった印象があるが、
これなら極めてシンプルで、機器操作の苦手な高齢者でも迷いなく利用されよう。
ワンマン運転区間の駅員・乗務員への問い合わせが減り、運行コスト削減につながる。

ダイヤの詳細は次の記事に記載するが、
盛岡で「こまち」と接続、新青森で速達タイプと緩急接続を行い、利便性を確保する。
小田急線でたとえるなら、新宿からロマンスカーに乗って、
町田や本厚木で同じホームの各停に乗り換えるような感覚で利用できる。